はじめに
2025年8月24日、私は社会保険労務士(社労士)試験を東京ビッグサイトで受験しました。試験当日には予想外の出来事も多く、改めて「試験は実力だけでなく、当日のコンディション管理も重要」ということを痛感させられました。
この記事では、私が実際に経験した試験当日の様子、準備不足だった点、工夫して良かった点などを、できるだけ詳細にお伝えしたいと思います。初めて社労士試験を受験される方、再挑戦を考えている方の参考になれば幸いです。
試験会場への道のり – 東京ビッグサイトの特徴と注意点
会場到着までの予想外のトラブル
試験当日、私は余裕を持って家を出たつもりでした。東京ビッグサイトは以前にも訪れたことがあったため、「道に迷うことはないだろう」と高を括っていたのです。しかし、これが大きな誤算でした。
駅からビッグサイトまで、そしてビッグサイト内の試験会場となる展示棟も、駅から一番遠いところにありました。着席時間は10時15分頃になってしまい、その時にはもうすでに受験者は全て座っていました。もう少し余裕を持って到着すべきでした。駅から着席までかなり距離があり、想定以上に時間がかかってしまったのです。
東京ビッグサイトなど大型会場特有の注意点
東京ビッグサイトなどの展示会などでも使われる大きな会場で受験される方に、ぜひお伝えしたい注意点がいくつかあります。
まず、会場が非常に広いということです。建物内も迷路のように複雑で、初めて訪れる方は特に注意が必要です。私のように「以前来たことがあるから大丈夫」という過信は禁物でした。
次に、トイレの位置と個室数を事前に確認することの重要性です。私は休憩時間にお腹を下してしまってトイレを利用しましたが、近くのロビーのトイレは個室が1つしかなく、待ってしまいました。貴重な休憩時間を費やしてしまったのです。別フロアのトイレも把握しておくと、時間を有効に使えると感じました。
また、コンビニエンスストアや飲食店の場所も重要です。昼休みにコンビニに買いに行かれた方がいましたが、20分程度かかっていたように思われます。午前中の疲れのリフレッシュなども考えると休み時間は貴重です。事前に用意しておいた方が望ましいです。
会場環境と体調管理の重要性
想像以上に過酷だった空調問題
試験会場に入って最初に感じたのは、「寒い」ということでした。8月の真夏にもかかわらず、会場内の空調が非常に強く効いており、まるで冷蔵庫の中にいるような感覚でした。
おそらく東京ビッグサイトは展示会仕様の空調設定になっており、大勢の人が動き回ることを前提とした温度設定になっているのではないかと思われます。しかし、試験では長時間じっと座り続けるため、この温度設定は受験者にとってはかなり厳しいものでした。
私は薄手の長袖シャツを持参していましたが、それでも寒さを完全に防ぐことはできませんでした。特に午後の択一式試験では、3時間半という長時間にわたって同じ姿勢で座り続けるため、体の芯から冷えてしまいました。手先が冷えて、シャープペンシルを握る手が震えることもありました。
この経験から、8月の真夏であっても、必ず防寒対策をすべきだと痛感しました。具体的には、以下のようなアイテムを持参することをお勧めします:
- 厚手のカーディガンまたはパーカー
- ひざ掛け(持ち込み可能か事前確認が必要)
- 手袋(指先が出るタイプが便利)
- ホッカイロ(貼るタイプ)
予期せぬ体調不良との戦い
私は普段、胃腸が丈夫な方で、緊張してもお腹を壊すことはほとんどありません。しかし、今回の試験では、午前の選択式試験の途中から腹痛に襲われるという、予想外の事態に見舞われました。
おそらく、前日の緊張による睡眠不足、当日朝の食事の内容、そして会場の冷房による冷えが重なった結果だったと思います。幸い、持参していた胃腸薬を休憩時間に服用することで、午後の試験には何とか臨むことができました。
この経験から学んだのは、普段は必要ないと思っている薬でも、試験当日は念のため持参すべきということです。特に以下の薬は、必須アイテムとして準備することをお勧めします:
- 胃腸薬(整腸剤、下痢止め)
- 頭痛薬
- 酔い止め(緊張による吐き気対策)
- 目薬(長時間の集中による目の疲れ対策)
長時間試験の体の負担対策
持ち物としてマッサージガンが非常に役に立ちました。社労士試験は午前中1時間20分、午後は3時間30分の長い試験になります。午前中終了後、かなり太ももとお尻が硬くなっていました。
今回はビッグサイトで受験し、パイプ椅子でしたが、大学での受験もあるそうで、その場合は学生向けの椅子になるかと思います。どちらにしろ、社会人が学生向けの椅子に座って長時間いると、場合によっては痛みが出て試験に集中できないと思います。
昼休みのリフレッシュの一環で体を動かすとともに、マッサージガンで体をほぐすということが非常に役立ちました。特に腰回りと太ももをほぐすことで、午後の長時間試験も乗り切ることができました。
文房具選びが合否を左右する – マークシート対策の重要性
マークシート専用筆記具の威力
社労士試験は、午前の選択式も午後の択一式も、すべてマークシート形式で実施されます。このマークシートの塗りつぶしやすさが、想像以上に試験のパフォーマンスに影響することを実感しました。
私は通常の筆記用には0.5mmのシャープペンシルを使用していましたが、マークシート記入用として、別途1.3mmの太芯シャープペンシルを用意していました。この判断は大正解でした。
太芯のシャープペンシルを使用することで、マークシートの塗りつぶしにかかる時間が大幅に短縮されました。特に午後の択一式試験では、70問という大量の問題を解く必要があるため、1問あたり数秒の短縮でも、累積すると相当な時間節約になります。
また、塗りつぶしの際のストレスが軽減されることで、問題を解くことに集中できました。細い芯で何度も往復させて塗りつぶす作業は、意外と神経を使いますし、手も疲れます。太芯なら2〜3回のストロークで確実に塗りつぶせるため、精神的にも肉体的にも楽でした。
文房具の準備リスト
試験当日、私が実際に持参した文房具と、その使用感をまとめます:
必須アイテム:
- マークシート用太芯シャープペンシル(1.3mm)×2本
- 通常筆記用シャープペンシル(0.5mm)×2本
- 替え芯(各種類ごとに予備を用意)
- ペン型消しゴム(マークシートを消すのには通常の消しゴムでは大きすぎる)
- 付箋(後で見直す問題にマーク)
- 腕時計(可能であればデジタルがおすすめ。科目の時間配分においてデジタルが必要になります。アナログは大まかな時間配分を把握するには役立ちますが、細かな時間配分には不向きです)
なお、必ず受験のお知らせを確認し、その内容に沿ったものを持って行ってください。試験によっては制限があるものもあります。
特に腕時計については、会場の時計が見づらい位置にある可能性もあるため、必ず持参することをお勧めします。
午前試験(選択式)の戦略と反省

時間配分の実際
午前の選択式試験は、80分で8科目の問題を解く形式です。1科目あたり10分という計算になりますが、実際には科目によって難易度が大きく異なるため、柔軟な時間配分が必要でした。
私の場合、以下のような時間配分で臨みました:
- 最初の10分:全体を見渡し、解きやすそうな科目から着手
- 次の50分:各科目を順番に解答
- 最後の20分:見直しと、迷った問題の再検討
実際の試験では、国民年金の問題が特に難しく、細かい統計データや最新の制度改正に関する知識が問われました。細かな数字要件を忘れてしまったため、既に2点を落としてしまいました。この科目だけで15分以上かかってしまい、後半の科目を急いで解く羽目になってしまいました。
選択式試験特有の難しさ
選択式試験の最大の難しさは、1つの空欄を間違えると、その科目全体の点数に大きく影響するということです。各科目5点満点で、基準点(通常3点)を下回ると、他の科目がどんなに良くても不合格になってしまいます。
反省点としては、最新の法改正情報のチェックが不十分だったことが挙げられます。社労士試験では、試験実施年度の4月1日時点の法令が出題範囲となるため、直前期の法改正チェックは必須です。この点は、次回受験する際の最重要課題として認識しています。
午後試験(択一式)の時間配分戦略
独自の解答管理システムの構築
午後の択一式試験は、210分(3時間半)で7科目70問を解く、まさに持久戦です。私は事前に綿密な時間配分計画を立てていましたが、それ以上に効果的だったのが、独自の解答管理システムでした。
具体的には、問題冊子の最後にある白紙ページを活用し、以下のような表を作成しました:

解答した問題には○、自信がない問題には△、後回しにした問題には×を記入していきました。この方法により、以下のメリットがありました:
- 未解答問題の見落とし防止:どの問題を解いていないか一目瞭然
- 見直しの優先順位付け:△マークの問題から優先的に見直し
- 進捗状況の可視化:現在のペースが予定通りか即座に判断可能
集中力維持のための休憩戦略
3時間半という長時間の試験では、集中力の維持が最大の課題でした。私は事前に決めていた15分ごとの小休憩戦略を実践しました。
具体的には、15分間集中して問題を解いた後、2〜3分間の小休憩を取るというサイクルを繰り返しました。休憩中は以下のようなことをしていました:
- 目を閉じて深呼吸(1分)
- 首や肩のストレッチ(1分)
- 水分補給(30秒)
- 次の15分の作戦確認(30秒)
この方法は非常に効果的でした。継続的に問題を解き続けるよりも、短い休憩を挟むことで、最後まで一定の集中力を保つことができました。特に試験後半の労一・社一といった、範囲が広く難易度の高い科目でも、集中力を切らすことなく取り組めました。
労働基準法での判例問題対策
午後の択一式試験で特に印象的だったのは、労働基準法における判例ベースの出題が多かったことです。条文の知識だけでなく、実際の裁判例における解釈や判断基準を問う問題が複数出題されました。
例えば、「労働時間の定義」に関する問題では、単に労働基準法の条文を暗記しているだけでは解答できず、最高裁判例における「使用者の指揮命令下に置かれている時間」という概念を理解している必要がありました。
出題された判例の中には初めて見るものもあり、消去法で解答せざるを得ない問題もありました。おそらく今後も判例の理解が問われると思います。
試験中の予期せぬトラブルへの対処
試験問題の訂正アナウンスによる動揺
午後の試験中、労働安全衛生法の問題を解いている最中に、突然試験監督からアナウンスがありました。「問題文に誤りがありましたので、訂正いたします」という内容でした。
集中して問題を解いていた私は、このアナウンスに完全に不意を突かれ、一瞬パニックになってしまいました。訂正内容を聞き取ろうと耳を傾けましたが、既に解き終わった問題に関する訂正だったため、影響はありませんでした。しかし、この一件で集中力が途切れてしまい、元のペースに戻るまでに5分程度かかってしまいました。
このような予期せぬトラブルは、試験では起こり得ることだと理解しました。重要なのは、動揺しても素早く立ち直ることです。深呼吸をして、「これも試験の一部」と割り切ることが大切だと感じました。
時間不足との戦い
綿密な時間配分計画を立てていたにもかかわらず、実際の試験では時間が足りなくなってしまいました。特に問題なのは、選択肢を2つまで絞り込めたが、最終的な判断に迷う問題が多かったことです。
例えば、健康保険法の問題で、AとCの選択肢で迷い、5分以上考えても決められない問題がありました。結局、時間の制約から直感でAを選びましたが、試験後に確認したところCが正解でした。このような「あと一歩」の問題が複数あり、非常に悔しい思いをしました。
この経験から学んだのは、迷った時の判断基準を事前に決めておくことの重要性です。例えば、「3分考えて決められない場合は、最初の直感を信じる」「より具体的な記述がある選択肢を選ぶ」など、自分なりのルールを設定しておくことで、時間のロスを防げると思いました。
よくある質問(FAQ)
Q1. 社労士試験当日の持ち物は何が必要ですか?
試験当日に必須の持ち物と、あると便利なものをまとめました。
必須の持ち物:
- 受験票
- 写真付き身分証明書
- 筆記用具(シャープペンシル、消しゴム)
- 腕時計
- マスク(会場によっては着用必須)
あると便利な持ち物:
- 防寒着(カーディガン、パーカー等)
- 常備薬(胃腸薬、頭痛薬等)
- 飲み物(ペットボトル飲料)
- 軽食(チョコレート、飴等)
- ティッシュ、ハンカチ
- 耳栓(休憩時間用)
- マークシート用太芯シャープペンシル
- マッサージガン(長時間座る疲労対策)
特に8月の試験でも、会場の空調対策として防寒着は必須だと感じました。
Q2. 試験会場の空調対策はどうすればいいですか?
東京ビッグサイトのような大型施設では、空調が効きすぎることがよくあります。以下の対策をお勧めします:
- 服装での調整:脱ぎ着しやすい重ね着スタイル
- 持ち物での対策:ひざ掛け、ストール、手袋
- 座席位置の確認:可能であれば空調の風が直接当たらない席を選ぶ
- 体温調整:休憩時間に廊下で体を動かす
私の経験では、薄手の長袖だけでは不十分でした。厚手のパーカーやカーディガンを持参することを強くお勧めします。
Q3. マークシート記入のコツはありますか?
マークシート記入で時間と労力を節約するコツをご紹介します:
- 太芯シャープペンシルの使用:1.3mm程度の太さがベスト
- 塗り方の統一:左から右へ一定のリズムで塗る
- 消しゴムの使い分け:ペン型消しゴムで細かい修正
- 定期的な確認:10問ごとに問題番号とマークシート番号を照合
特に重要なのは、問題番号とマークシート番号のズレを防ぐことです。私は10問解くごとに必ず確認していました。
Q4. 午後試験の時間配分はどうすればいいですか?
210分で70問を解く午後試験の時間配分の目安をご紹介します:
基本的な時間配分:
- 1問あたり2分(140分)
- 見直し時間(40分)
- 予備時間(30分)
科目別の時間配分の目安:
- 労働基準法・労働安全衛生法(10問):20分
- 労災保険法(10問):20分
- 雇用保険法(10問):20分
- 労一・社一(10問):25分
- 健康保険法(10問):20分
- 厚生年金保険法(10問):20分
- 国民年金法(10問):20分
ただし、科目の得意不得意により調整が必要です。私は労一・社一に時間をかけすぎて、後半が駆け足になってしまいました。
Q5. 試験中のトラブル対処法は?
試験中に起こりうるトラブルとその対処法をまとめました:
体調不良の場合:
- 手を挙げて試験監督に申告
- トイレ退出は可能(ただし時間のロスあり)
- 持参薬の服用は休憩時間に
筆記用具のトラブル:
- 予備を複数用意しておく
- シャープペンシルの芯詰まりに注意
- 消しゴムは新品を用意
精神的な動揺:
- 深呼吸で落ち着く
- 解ける問題から着手
- 完璧主義を捨てる
私の場合、問題訂正のアナウンスで動揺しましたが、「これも含めて試験」と割り切ることで立ち直れました。
まとめ – 次回受験者へのメッセージ
2025年8月の社労士試験を振り返ると、新たな課題も多く見つかった受験となりました。
特に印象に残っているのは、環境要因への対策の重要性です。会場の空調、体調管理、文房具の選択など、一見些細に思えることが、実際の試験では大きな影響を与えることを実感しました。また、長時間試験による体の負担への対策として、マッサージガンのような道具の活用も有効でした。
また、時間管理の難しさも改めて認識しました。どんなに綿密な計画を立てても、実際の試験では予期せぬ事態が起こります。柔軟に対応できる心の準備と、具体的な対処法を用意しておくことが大切だと感じました。
試験の難易度については、全体として極端に高いとは感じませんでしたが、部分的に非常に細かい知識や最新の法改正、判例の理解を問う問題が含まれていました。「浅く広く」だけでなく、「深く理解する」ことの重要性を痛感した一日でした。特に判例については、今後も重要性が増していくと思われます。
これから社労士試験を受験される方へ、私からお伝えしたいことは、「完璧を求めすぎない」ということです。社労士試験は相対評価の試験であり、満点を取る必要はありません。基準点をクリアし、合格ラインを超えることが目標です。
そして何より、試験当日のコンディション管理を軽視しないでください。どんなに勉強しても、当日に実力を発揮できなければ意味がありません。体調管理、持ち物の準備、会場の下見など、「当たり前」と思えることこそ、丁寧に準備することが大切です。
この体験記が、少しでも皆様の受験準備の参考になれば幸いです。皆様の合格を心より願っております。
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本記事は2025年8月の社労士試験受験時の個人的な体験に基づいて作成されています。試験制度や会場環境は変更される可能性がありますので、最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。


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